原稿の合間の休憩に、気がつけば臨也さんとシズちゃんのお話を書いていた、そんな夜。全然休憩にならなかった。
下でリビドー丸出しなこと書いたけど、この二人はやっぱトムジェリでいいよ…仲良く喧嘩してろよ…
「ほんっと、懲りないよねぇシズちゃんは!!ジャンクフードばっか食べているから、頭もジャンクになっちゃったんじゃないの?しかも筋肉でできてるときた、うわぁーかわいそおー」
昼間なのに湿った路地裏に入ると、周囲の喧騒も遠くに聞こえる。数メートルの距離を保ちながら追いかけてくる奴の左手には「平日ランチセット780円」と書かれたどこかの定食屋の看板を掴んでおり、右手は手持ち無沙汰なのか、とりあえずといった感じで拳を握っている。そのまま振り落とされるのか、それともまだ何か探しているのかと考えていたら、看板がこちらに投げられた。何回見てもためらいのない綺麗な放物線から(というよりは弾丸である)ビルの壁を蹴って避けることに成功する。盛大な破戒音と共にアスファルトの地面に叩きつけられた看板は、原型を留めていない姿で、非情にも粉々に拉がれていた。これが直撃していたら、今頃大事な俺の頭がこの看板と同じ末路を辿っていたに違いない。
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ここまで書いた オチなどない
来神時代の殺伐バイオレンスハイスクールデイズが描かれた薄い本はどこに売っておりますか。
アニメだとアレだったけど、原作の二人は 出会った当初はそれなりに仲の良い友人→臨也の化けの皮が剥がれる→シズちゃんを利用しようと暗躍アレコレ→拗れまくって現在に至る に思えて仕方がない
一瞬でも仲が良かった期間があるのことに、今の状況を顧みてむかついているんじゃないか、とも思ったり。
下でリビドー丸出しなこと書いたけど、この二人はやっぱトムジェリでいいよ…仲良く喧嘩してろよ…
春めいてきた池袋の昼下がりは、どこか霞んでいて、それでいてまぶしい心地がした。
それは多くの雑踏や、都会の喧騒からなるものであるのではないかと、ふと思う。それらが巻き起こすものが、様々なことが目覚め出す春を、街を薄ぼんやりと霞ませるのだ。
(――つか、今のはない)
何今の表現。俺はいつから路上詩人になったんだっつの。着込んできた冬地のファーコートが暑苦しいせいで頭が沸いているのかもしれない、それほどに春は近づき、実感できた。卒業シーズンを間近に控えた水曜日の60階通りは、学生や若者、観光客にキャッチセールスでひしめき、浮き足立っていて騒がしい。いや、これはいつものことか。深夜や明け方などではない限り、人っ子一人もいない池袋なんて、不気味を通り越してヤラセドッキリに思えてしまう。
(――つか、今のはない)
何今の表現。俺はいつから路上詩人になったんだっつの。着込んできた冬地のファーコートが暑苦しいせいで頭が沸いているのかもしれない、それほどに春は近づき、実感できた。卒業シーズンを間近に控えた水曜日の60階通りは、学生や若者、観光客にキャッチセールスでひしめき、浮き足立っていて騒がしい。いや、これはいつものことか。深夜や明け方などではない限り、人っ子一人もいない池袋なんて、不気味を通り越してヤラセドッキリに思えてしまう。
俺は街が好きだ。
清濁も様々な思惑をも飲み込んで存在する混沌。なにより愛して愛してやまない人間がそこで生活し、活動しているのだ。通りを歩いているだけでも観察もでき、情報収集もできる。これほど恵まれた土地はない。だから俺は、街が好きだった。
今日訪れたのも、仕事を兼ねた情報収集と趣味を両方満たしてやろうと思ったからだ。人混みで溢れ返るという点だったら、根城である新宿でも同様のことが言えたが、やはり行き慣れた方に足を運びがちになる。まぁ、観察だったらマンションのベランダからでもできるんだけど。よりスリリングで面白い選択をしただけの話だ。
そしてそのスリリングで面白いことだと言うべき権化、俺がこの街に訪れると大概やって来る憎い男の存在も、やはりいつもと変わらなかった。
「ほんっと、懲りないよねぇシズちゃんは!!ジャンクフードばっか食べているから、頭もジャンクになっちゃったんじゃないの?しかも筋肉でできてるときた、うわぁーかわいそおー」
「っるせぇクソノミ蟲、大体懲りないのは手前の方だろーが!あとその呼び方やめろっつってんだろ!!」
「やだよ、面白くない」
周囲から頭一つ飛び出た金髪バーテン服を見つけ、ああ、やっぱりいるんだと思ったらすぐにこれだ。発見した場所からどう少なく見積もっても50メートルは離れていたというのに、それなのになぜこの男は雑踏から俺を見つけて追いかけてくるのか。ああ、野性の勘って奴か。この男――平和島静雄だったら持ってそうなスキルだなぁと、その予想は気持ちがよいほどに肯くことができた。
大通りの交差点の前で信号待ちをしていたはずの俺は、気が付けばナイフを片手に狭い路地へと走っている。青信号になった途端に追いかけやがって、妙に常識的な奴だ。赤信号のままこっちへ向かってきて、そのままダンプに轢殺されればよかったものを。しかし経験上、奴にトラック等のひき逃げが効かないことを知っている。確か高校時代、出会い頭にやった手口だった。あれを見て奴はやはり『化物』と呼ぶのに相応しいのだと実感したが、それから数年経った今、俺たちは未だに喧嘩をしている。語弊があるな、正しくは勝手に喧嘩という名の殺し合いを引っ掛けられているのだ。
昼間なのに湿った路地裏に入ると、周囲の喧騒も遠くに聞こえる。数メートルの距離を保ちながら追いかけてくる奴の左手には「平日ランチセット780円」と書かれたどこかの定食屋の看板を掴んでおり、右手は手持ち無沙汰なのか、とりあえずといった感じで拳を握っている。そのまま振り落とされるのか、それともまだ何か探しているのかと考えていたら、看板がこちらに投げられた。何回見てもためらいのない綺麗な放物線から(というよりは弾丸である)ビルの壁を蹴って避けることに成功する。盛大な破戒音と共にアスファルトの地面に叩きつけられた看板は、原型を留めていない姿で、非情にも粉々に拉がれていた。これが直撃していたら、今頃大事な俺の頭がこの看板と同じ末路を辿っていたに違いない。
「あははは、シズちゃんってばノーコン!!」
一度立ち止まって後ろを振り向くと、奴も距離をそのままに走ることをやめたらしい。厚手のコートを着て疾走したせいで、額や背中に汗が流れているのがわかる。皮膚に伝う感覚が気色悪かったが、隠した数本のナイフがあるため脱ぐこともできない。全身から怒りを放出させ、打ち震えている姿が見て取れる。連なるビルの隙間から洩れる陽射しがサングランスに反射しているせいでわかり辛いが、きっと眉間には渓谷のごとく皺が寄ってよっているのだ。血管くっきり浮かべちゃってさ、切れないかなぁ、さすがに血管切れたら死んでくれそうな気がするんだけど。そもそもあそこまで体全身を使って自分の感情を正直に表せるのも、ある意味才能なんじゃないかと思う。その怒気を惜しみもなく晒す奴の額に、また血管が浮かぶ。
「手前が避けるからだろうが!!いちいち面倒くせぇ…とっとと一発殴らせて、ついでに死んでくれねぇか、臨也くんよぉ」
「それはこっちの台詞だって。早いところくたばって俺の心労を減らして欲しいね」
「心労?冗談は手前の存在だけにしとけよ」
「何言ってんの、君が死ねば俺の心には平和が訪れるのにさ」
意味ありげに口の端を吊り上げて笑ってみれば、対面の男が単純に引っ掛かることを知りすぎている。
「だから、殺してあげるよ、シズちゃん」
「ッ…、臨也ァァ!!」
咆哮のような叫び声を上げて、奴は素手で一直線に突進してくる。正直言って、これは少しまずい状況だ。自販機やら道路標識やらを振り回して投げてくるのだったら、リーチはあるのでその隙を狙って逃げることができるのだ。が、いくら俺がこの男や良からぬ奴らと喧嘩をして場慣れしているとしても、自動喧嘩人形と称されるチート怪力男にナイフで応戦するのは少々きついものがある。俺は化物じゃない。ちょっとばかし運動神経がいいってだけの、ただの人間なのだから。
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ここまで書いた オチなどない
来神時代の殺伐バイオレンスハイスクールデイズが描かれた薄い本はどこに売っておりますか。
アニメだとアレだったけど、原作の二人は 出会った当初はそれなりに仲の良い友人→臨也の化けの皮が剥がれる→シズちゃんを利用しようと暗躍アレコレ→拗れまくって現在に至る に思えて仕方がない
一瞬でも仲が良かった期間があるのことに、今の状況を顧みてむかついているんじゃないか、とも思ったり。
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